半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との、中間の性質を持つシリコンなどの物質や材料のことです。 電気信号のオンオフができる事により、様々な製品の機能をコントロールしています。 また、このような半導体を材料に用いたトランジスタや集積回路も、慣用的に半導体と呼ばれています。 情報の記憶や数値計算、論理演算などの情報処理機能を持っているもので、私たちが日常使用する電気機器のほとんどに使用されています。
（参考：一般社団法人日本半導体製造装置協会）

具体的には、エアコン、炊飯器、洗濯機などの衣食住に関わるものから、スマートフォン、パソコンやテレビといった現代の生活の必需品、デジタルカメラやLED電球など、生活をより豊かにしてくれるものにもほとんど使われています。 現代では半導体が存在しない世界は考えられないほど、世界のテクノロジーの発展に半導体は密接に関係しているんです。

世界の半導体市場（出荷額）は、2015年以降徐々に増加傾向にあります。 2022年には過去最高額の12兆5,493億円（前年比32.1％増）にまで上昇しています。 日本における半導体市場も、同様に2022年の出荷額は1兆145億円（前年比36.9％増）と過去最高額でした。 AIや自動車、インフラなど、幅広い分野で半導体が求められていることから、半導体市場は長期的に見るとこれからも大きくなる模様です。（参照：総務省「令和6年度版 情報通信白書」）

そんな中、半導体製造装置産業及び半導体部素材産業においては、下記の通り日本企業が高い世界シェアを有しています（2021年度実績）。

• 半導体製造装置（半導体を作るための装置）
  …31％（世界２位）
• 主要半導体部素材（半導体を作る過程で使用される部品・材料）
  …48％（世界トップ）

（参照：経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」）

• 半導体メーカーや半導体製造装置メーカー
  「設計・研究開発」
  …半導体、半導体製造装置を作るための設計、研究開発を行う
  「資材調達」
  …半導体、半導体製造装置を作るための材料や部品を調達する
  「営業」
  …半導体商社（半導体、半導体製造装置を利用する企業との仲介を行う企業）へ製品を売り込む
  「評価・実験・分析」
  …半導体、半導体製造装置が正常に使用することができるか、不具合がないかなどを検証する
• 半導体部素材メーカー
  「営業」
  …半導体メーカーへ、製品（原料・材料）を売り込む
  「生産技術」
  …販売先の要望に応える事ができる製品を安全・安定的に生産できるように工程の設計や管理を行う
  「研究開発・検査・生産」
  …原料・材料の開発や検査を行う
• 半導体商社
  「営業」
  …半導体メーカー等から買い付けた半導体関連製品を企業へ販売する（主な販売先は電子・電気、精密機器や産業機械のメーカー）
  「技術」
  …半導体関連製品の販売先となる企業が適切に製品を選定、活用できるよう技術面におけるサポート、製品の品質管理などを行う

• ①将来性があり、雇用の安定が期待できる
  技術進化による半導体のニーズが高まり、これからも市場の拡大が予想されることから、安定した産業となる可能性が高いです。長く働きたいという方には向いている環境です。
• ②常にスキルアップ・自己成長ができる
  半導体産業は常に最新の技術や情報がアップデートされます。専門知識や技術力を磨き続けることで、自己成長を感じることができるだけでなく、ハイキャリアを目指すことができます。

特に学歴や資格が必要とされないケースが多く、各半導体メーカーによる違いがあるものの1～６か月程度OJTによる研修・教育があります。 一定の操作・作業を覚えた後は現場での経験を積み迅速でミスのないオペレーションができるよう熟練を目指します。
資格面については、厚生労働省が定める「半導体製品製造技能士」の取得を目指すことも可能です。
今後もさらに多くの人材が半導体業界に集まることが予想されているため、指導者として後任を育成するポジションを目指すキャリアップの道もあるでしょう。

• 几帳面な人
  半導体製造に関わる業務は繊細さが求められるため、細やかな作業が得意な人や好きな人には向いているかもしれません。 また、どちらかというと黙々と集中して仕事に取り組みたい人にも向いている可能性が高いです。
• コミュニケーション能力を活かしたい人
  半導体は作る以外にも営業職のポジションもあります。 製造した商品を国内・海外問わず販促していく仕事であるため、語学を活かした営業スキルやコミュニケーション能力を活かせるフィールドです。
• 責任感の強い人
  半導体は私たちの生活の周りでありとあらゆる製品に使用されています。 その中にはミスが許されない製品も存在しているため細心の注意が求められます。 「最後までやりきる力」「自分の仕事に責任感を持てる力」を持つ責任感の強い方にはやりがいを感じられる仕事です。